はり・きゅう
不調を整える「鍼(はり)」
鍼灸と言えば、肩こり、腰痛といったイメージがありますが、実に多くの疾患に効果があります。それは鍼刺激によって血流が促され、痛み物質が流れるのと同時に、脳に伝わった刺激から鎮痛効果のある物質が放出され、全身へと行き渡り、色々な場所の痛みや不快症状の再発を和らげることができるからです。また、皮膚への刺激が反射刺激となって、内臓・自律神経のコントロールを行います。そういったことから、うさぎ堂で多用している深く刺さない鍼、もしくは皮膚をなでるような刺さない治療法でも内臓疾患に働きかける効果があるのです。それらの結果、患者さま自身の回復力が高まり、様々なつらい症状の軽減、コンディションが良くなるといったプラス面に繋がっていきます。
また、治療の際に最初はマッサージでコリをほぐし、最後に残った部分だけ鍼で取る、といったようなこともします。鍼は手が届かない体内のコリに直接作用し、「そこ!」という痛みを和らげる治療者の指の役割をします。鍼をするのは患部に限りません。症状と関連した全身にあるツボを刺激していくことで、治療効果が長持ちするように工夫しています。
当院で使用している鍼
鍼には様々な太さや長さがあります。
女性は特に肌が敏感ですから、当院で使う鍼は最も細い鍼(直径0.12㎜~)がメインになっています。初めての方でも「刺さっているのが分からなかった」と仰る程です。
しかし、鍼特有の響き感がお好きな方には番手を変えて刺激を調節することもできますのでお申し付け下さい。鍼が怖い方や、症状によっては刺さない鍼も使います。治療では全て使い捨ての鍼を使用しておりますので衛生的です。
当院の設備
シャーレや器具等はオートクレーブで毎回滅菌処理をしております。
【教えて!うさぎ先生】
鍼と灸のコラボ、灸頭鍼ってなに?
鍼の頭に艾(もぐさ)を乗せるのが「灸頭鍼(きゅうとうしん)」です。輻射熱によって、固まった筋肉や組織を広範囲でほぐすことができます。温泉に入っているかのような格別な温かさが鍼を伝わり、からだ内部へと広がります。じんわり緩んでいく、気持ちの良い時間です。うさぎ堂では、お灸落下防止のため専用キャップを使用し、煙の出ない炭タイプのお灸を使いますので、髪や衣服が燻されることはありません。
深部から温める「灸(きゅう)」
春になると野に咲くよもぎから取られた繊維が艾(もぐさ)になります。
鍼灸の発祥は2000年以上前の中国ですが、約1500年前に日本に伝わって以降、鎖国時代を通し、日本独自のお灸文化が民間療法として庶民の間に根付きました。中国ではあまり発展しなかったお灸がなぜそこまで日本では日常的になったのか。その背景には日本の湿気に満ちた環境があったと言われています。湿気からくる痛み、だるさ、冷えにはお灸の「火力」がとても助けになります。
からだを深部から温めることのできるお灸は女性の強い味方です。現代の生活では体を冷やすことばかり氾濫しています。例えば、冷房が効いてる室内で一日中動かずに仕事をしている、という環境では冷えによって、生理のトラブルや頭痛、肩こり、腰痛、むくみ、胃弱などの様々な症状が出現します。お灸は直接火を使うものですから、他の温めグッズ等とは段違いにからだを温めることができ、日々お灸をすることで冷えにくいからだに変化していきます。というのも、お灸の熱や成分は皮膚を通して血管を拡張させ、強張った筋肉を緩めたり、血液やリンパ液の流れを促すからです。また、自律神経に作用するのでホルモン分泌の調整に繋がります。加えて、白血球の増加も見られることから、風邪を引きにくくなるといった免疫力の強化にもなります。
当院で使用している灸
うさぎ堂は小さな、小さなお灸を作るのが得意です。直接肌にするお灸は米粒の半分以下の大きさです。燃え尽きる手前で消しますので火傷の心配や、お灸の痕が肌に残ることはありませんのでご安心下さい。
また、主に治療で使う煙の出ないタイプのお灸は、衣服が煙臭くなることもありませんので、お灸の効能を楽しんで頂けます。
【うさぎ先生からのお願い】
ぜひ日常生活にお灸を
お灸は、「久しい」に「火」と書きます。毎日毎日、継続的にやってこそ、しっかりとした効果が現れることを意味しています。生理痛予防、 膝関節の痛みや冷え、雨が降る前に起こる頭痛などには日常的に自宅でお灸をすえることで楽になっていきますよ。症状に合ったツボの位置をお教えしますので、是非ご自分でも挑戦してみてください。また、不妊治療には毎日のお灸習慣をお薦めします。自然とからだが温まるようになりますよ!